East gate,Open the sea.

飽きるまで推す

2020年も12人の怒れる男が熱かった


 昨年も観た12人の怒れる男を、今年も観に行ってきた。
 観に行くまでに、いろいろ、本当にいろいろあって昨年同様私が怒れる男になることもあったけどそれはまた次回。
 今回は「この舞台、本当におもしろいよな」という話。
 私は推し目当てで観に行っているけど推しがいなくてもおもしろい舞台なんだという話をしたいので今回推しにはあまり触れていません(推しに関する感想、「圧倒的『生(せい)』すぎて泣いちゃったんだが?(実際には涙は流れていないけどそれくらい心臓に響いた)」とかになるので……)。推しであるAチーム1号の話も次回。

 普段は推しが出ているか2.5舞台しかみない程度の観劇ファンが「私はこう思った」「私はこれが好きだ」という感想を書いているだけなので客観的に舞台のことを知りたい方の求めている文章ではないです。レポではなく感想。
 あと、私は関西在住で東京遠征して舞台を観に行きました。そしてこれは「遠征して観に行った舞台がむちゃくちゃおもしろかった楽しかった」というブログです。それだけです。
「行った舞台が楽しかった」という感想を読んでこの公演に限らず自分の行かない選択を否定されていると感じたり、行けないことを後悔しそうな人は読まないほうがいいです(己の意図せぬ形で同じ沼のオタクを傷つけるのが嫌なだけなので「この時期に行きやがって」と言いたいだけの方は別にどうぞ)。「やっぱり舞台は劇場で観た方がおもしろいな」に着地する感想なので劇場に行けなくて、行って楽しそうにしている人を見ると傷つきそうは人はこのブログではなく、8/30まで配信している12人の怒れる男を観てください。

ナイスコンプレックスプロデュース#5『12人の怒れる男』東京公演 – THEATER LIVE


 むちゃくちゃ予防線張るけど、みんな疲れているし誰かを疲れさせたくないので。
 そして一応東京楽から2週間経ちましたが、私は何事もなく元気です。

 

 あと去年の感想と怒ったブログがこちら
東京公演感想と怒った話(12人のランブロと座席に怒れる男 - East gate,Open the sea.
ランブロ50枚買って推しが1枚も来なくて怒ったり泣いたり酒を呑んだりする話(11人しか来なくて怒れる男 - East gate,Open the sea.
大阪公演の怒っていない感想(12人の怒っていない男 - East gate,Open the sea.
おまけ、ランブロに疲れたオタクがランブロで遊んでいる話(推しじゃないブロマイドで遊ぼう - East gate,Open the sea.

 

 

感染症対策など


 今年一番にでかい声で言いたいのが、なんと今回ランブロがなかった(俺は昨年大阪公演で50枚以上買って推しが自引き0だった叔父)。物販自体がすべて通販だったけど、「それはそうとしてどうせランブロあるんでしょ?」と斜めに構えてみていたのになんとなかった。全員セット12枚で2000円なのでランブロ一枚200円なのを考えると一枚あたりの単価も安くなっている。ランブロがあったら現地交換が行われることは想像に難くないけどだからと言ってそこで「ランブロしません」と決めるのはとても大変な決断だと思う。ランダム商法、儲かってそうだもんなあ。ファンとしては今のようなご時世じゃなくてもランダム販売はやめてくれと思っているので、推しが出ても出なくてもぜひ来年も今年と同じ感じで売ってほしい。
 浮いた分の金で推しが出ないBチームの配信を買ったり大阪Bチームのチケットを買ったりしました(昨年散々「ランブロなかったらチケット追加できたな!!!」と騒いでいたので自分の発言のケツは持つぜ!)。マジでランダム商品という望んでいないギャンブルをしたくないだけで舞台はめちゃむちゃ面白くて金払ってもいいと思っているので来年もランダム商品がないことを祈っている。

 感染症対策としては上記にあげた物販が通販のみとかランブロがない以外にも、エレベーターの人数制限とか規制退場とかおそらくほかの舞台でもやっていることはしっかり対策されていた。諦めていたロイヤル傍聴席が買えてしまって(ロイヤル傍聴席の変更があって私の最前が死んだ話も次回)観てきたけど、眼鏡みたいに鼻と耳にかけるタイプのフェイスガードでした。刀ステは後ろで留めるタイプだったように見えた(刀ステは最前ではなかったので使ったわけではない)。このフェイスガードと一緒に黒いマスクが席においてあって、みんな当然のようにマスクしてくるけどなんでや? と思ったら白いマスクだとフェイスガードに反射して(反射するというかフェイスガードに映ってしまうというか)見にくくなったので納得しました。とても親切だし、これはきっと「フェイスガード置いておけばいいでしょ」とかではなくて、きちんとそのフェイスガードを使ってみて「白いマスクだと見にくいな」と判断して黒いマスクを置いてくれたんだろうなということが理解できたので劇場で一人、舞台が始まる前から感動していた。他の舞台でも同じことしているのかな。
 感染症対策ではないかもしれないけど、舞台上に設置される役者さんたちが劇中で飲む水が昨年はピッチャーひとつとあとはペットボトルだったのに今年は蛇口をひねるタイプのタンクで飲み口のところに触れないように考えられているではとこれも一人で感動していた。あと、私がはじめて観劇した回では守衛が持ってきた二つ目のタンクだけが結露していて「常温水と冷水を準備してくれている……気配りが喫茶店のそれ……」と思ったけどその後観劇した回ではどっちのタンクも結露していなかったので見間違いかな?

 

・役


 キャストさんについて書くけれど、一回目観てめちゃくちゃ思ったのが、「いや2019年の7号さん、すごかったよな!??」だった。
 こっから現地で観たAチームと配信で観たBチームのことがまざりつつ順不同にキャストについて書いていくけどあくまで個人の意見であり、書いてない人もいますが悪しからず。

・7号
 観て、「いや2019年の(略)」と思ったけど、すごかったというか私は2019年のキャストさんが演じる7号が好きだったんだろうなと思う。どこが好きだったのかというと、「観ていてむちゃくちゃ腹が立つところ」です。昨年の7号、「これがはまり役というんだろうな」と言うくらい「リアル」だった。うまく言えないけど、演技が板についているというか堂に入っているというか、「え? ご本人がこういう方でいらっしゃる?」と勘違いしてしまうくらいには自然でリアルだった。
 芝居を語れるほど詳しくはないけど芝居というのは当然ながらアドリブではない限り現実と違って「台本」があるものであって、でもその決められた台詞をあたかも「今こう思って口から出た」ように演じないといけなくてそのために稽古をするのだと思う。2019年7号は話し方や、人が話しているのを遮って話すタイミングが、とてもなめらかだったように感じた。
 間の取り方、話し方、動き、全部がしっくりきたししっくりくるので7号という身近にいたら関わりたくない役が目に入って自然に眉間にしわが寄ってしまった。関わりたくはないし、眉間にしわが寄るのに、端の方
にあるイスに座って口笛を吹いているのが様になっていて視線が勝手にそちらを向いてしまう。「嫌でも目に付く」けど、「嫌でも」の理由としてはその演技が本当にリアルだったからだ。
 でもこれはすごいことではないか? と2020年になってから思う。本人が「嫌な奴」だというわけではない、あくまで演技でしかないけど演技でそこまで思わせてしまう。まさしく「はまり役」だったのではないかなと思った。
 2020年の7号さん、推しと共演したことがある方なので他舞台でも観たことがある。推しと朗読劇?をニコ生でやっててその女性役がむちゃくちゃうまくて「キレイなお姉さんおる」と思ったけど私はこの方の7号にはそこまで腹が立たなかった。机に座ったり机に足乗せたり、回によっては机の上に立ったりと行儀の悪さはあったけど眉間にしわが寄るほどではなかった。配信で東京Bチームも観たけどそちらの7号も眉間にしわが寄るほどではなくて「識味(あじしる)の眉は動かず……」と思った(読み返して「いや慣用句みたいに使っているけどこれ誰もわからんぞ」と思ったので補足すると「将太の寿司」という漫画で真にうまいものを食べたときに目が開いて眉が動く「識味」(あじしる)という異名を持つキャラがいてそういうシーンがあった。識味の名前を自分に使うのは烏滸がましすぎるけど)。
 でもこれは「私個人は2019年7号が腹が立ったので好き」という話なので「腹が立ったので嫌い」という人もいるだろうし「2020年の方がいやらしいと感じたので好き」という人もいるだろうし私はそういう「同じものを観ても分かれる感想」が好きだ。あと、この「同じ役を他の人がやるとどうなるか」が観られるのも好きなので12人の怒れる男は本当におもしろいなあ。そして7号はみんな口笛がうまいので口笛ができないけど7号に指名された人は練習大変だろうなと思った。

 2019年で推し以外で一番好きだったシーンは11号が7号に詰め寄るシーンで、2019年は「疑問があるから!! 有罪にぃ!!!」という逆ギレ気味な言い方でそこがけっこう好きだったけど2020年は台本通り(去年も今年もロイヤル傍聴席の特典で台本がもらえた)「(絞り出すように)疑問があるから…有罪に…」というような話し方だった。今年のAチーム7号さんは中の方の品の良さが見えるんだよなとたしかこのシーンの話し方で思った。机に立ったりして素行は悪いけど、「普段の品の良さ」を感じる話し方をするシーンがちょいちょいあって、静かに話すこのシーンで特にそう思った。
 でも私はこのあたりのシーンが大大大好きなので7号と11号の演技を口を開けてみている間に東京公演では毎回推しが上着を脱ぐのを見逃したので大阪公演ではこのシーンで忘れず推しを観たい。推しが好きで舞台に行っているけど、推し見逃すほど12人の怒れる男はおもしろいぞ! (今日のブログなんか販促みたいなの露骨な褒めが多いね)

・2号
 2020年Aチーム東京2号さん、観ていて途中で「あっこの方、昨年東京で1号だった方か」と思いだした
 これも「え、すごい」という話なんですが、私はどうしても一度観た方は前回の役のことが脳味噌に残った状態で観てしまうんだけど、2020年2号さんはそれをすっかり忘れているくらい2号さんだった。2019年の2号さんにけっこう寄せてるような気がする。1号の場をまとめようとキリッとしている感じがほぼなくて完全に「2号」だったので演じ分けすご……と感動してしまった。

・12号
 今年もはじけていた。私はこの方と笑いの周波数が合うので観ながらむちゃくちゃ笑いを堪えたし堪えきれなくて肩が震えた。はじけていたし突き抜けていた。でも私がこれを笑えるのは「元の台本通りの演技」を知っていて、それと外れまくっているところが笑えるのだと思うし私は別の舞台で「台本と離れた演技」でもやっとすることがあったのでそこの差はなんだろうなと思いながら観てた。いやでも12号は個人的にむちゃくちゃ笑いのつぼにはまるのでこの方が演じる大阪11号、本当に楽しみ。2019年よりも眼鏡を外す回数が多かった気がする。あと基本的にいつも笑っているのでラストとかの静かなシーンで「無」の顔をしているとギャップが怖い(とても良い意味で)。
 Bチーム12号さんもおもしろかった。「サイコロを振ってそれで有罪か無罪か決める」というシーン。台本ではサイコロなんだけどAチーム12号はそのサイコロ部分を日替わりでいろいろ仕込んでくるのだけどBチームはサイコロという台本通りなのだけどそこに持っていくまでに笑いを仕込んできていた。配信日以外はどんな感じだったのか知りたい。


 ここまで書いて思い出したけど、BチームよりAチームの方がなんか仲の良さみたいなのがにじみ出てた気がする。クーラーがついたシーンとか。


・5号
 ナイフのシーン、うまくなっていらっしゃる!! と昨年も観た人は思ったのでは……私は思った。
 あと私は5号が4号に「あなた、汗かかないんですか?」って話しかけて「かきません」って言われたあとに、4号が映画のことを覚えてなくて焦る場面で汗をかいているのを見て6号に「あの人汗かいてる!!」ってなんか嬉しそうに話している(話しかけようとしている)シーンが好き。Bチーム5号は独り言みたいに言っていたと思う。
 AチームはBチームより5号6号の仲がいいように見える。

・6号
 Bチームを観て、驚いた。全然違う役だ。私はAチームの方の6号しか観たことがなかったし、それを観て「いい役だなあ」と思ってたけどBチーム全然ちがったしそういう解釈もあるのかと興味深かった。同時に、私はAチーム6号の解釈に納得していたのだなと気がついた。筋肉質で熱血漢っぽくてそれ故にお年寄りや人に敬意を払えない人を許せないという演技に納得してたけど、Bチームの6号が全然ちがってひょろっとしていて「眠たいのかな?」と思うような話し方をされるのでその差に驚いた。Aチーム6号の熱い怒り方に慣れていたのでBチームはじめは「この人が『人に敬意を示さない』と理由で怒るのか?」と思いながら観てた。ペンキ工になるまでの遍歴が二人は全然違うんだろうなとバックボーンを考えさせられたし、6号のキャラの違いが一番大きかったと思う。しかしそこまで考えて「ペンキ工」と言われて「肉体労働なので体格のいい人だろう」と考えていた己の偏見に気づいてしまって「自分じゃ気づかない人がほとんどだ」という1号の台詞が脳内を駆けめぐった。12人の怒れる男、本当に面白いな。ひょろっとしてふにゃっとした話し方をするBチーム6号だけど、どんな背格好だろうと話し方だろうとだからといってその人の根のところを決めつけるのは偏見以外のなにものでもないと気づかされた。
 Aチーム6号は体格がいいので誰かが暴れると止めに行くことが多いところが好きです。
 Bチーム6号は7号に怒って、それを1号に「舞台と関係ない争いはいい加減止めて下さい」と止められた後に「うんわかった」と口では言うけどその後すぐに7号に殴りかかろうとするシーンが好き。Aチーム6号と怒り方が全然違うので配信で比べてみてほしい(止まらない販促)。あと、椅子に立ってクーラーが壊れてないかみるシーン、椅子に立つときに靴を脱いでいて、たしか何人か椅子に立つシーンはあるけど靴を脱いでいたのはBチーム6号だけだった気がする。あと台本では「怒鳴るのもいい加減にしろ」だけど「大きな声を出すのもいい加減にしろよこの野郎」といっているところがあった。こういう台詞の変更って相談して決めているのかどうなのか。とりあえず同じ意味でも演じる人によって言葉遣いが変わったりするのをみるのが私は好きだ。


・1号
 推しについてはまた次回詳しく書きたいけどBチームの1号が私はけっこう好きだ。
 私は去年も観たけどどうしても1号が「ガキと言われてそこまで怒る理由」がいまいち理解できていない。推しの怒り方がむちゃくちゃなのもあるかもだけど。
 推しの1号の怒り方、というか私が「推しのキレ芸」と勝手に呼んでいる他の舞台でもよく見る「急にキレる推し」というのがあって、それは怒りが1から10まであるとすると2くらいから一気に8~9まで飛んでいくような怒り方で私はそこにやや違和感を感じることがある。落差が激しくて急にキレたように見えるので「推しのキレ芸」と呼んでいる。

 Bチーム1号もあるところで急に怒りのレベルが上がるけど1234と怒りが徐々にあがっていってそこから7~8くらいにちょっととばして怒るタイプだったように思う。台本だけ読んでも1号が怒る「ガキじゃないんだから」と言われるシーンは「1号なんか急に怒るやん」と思うのでこのシーンは推しに違和感を感じるというか私は1号の怒りポイントと怒り方が飲み込めていないだけなんだと思うけど、Bチーム1号は徐々に怒っていくのが見えたのと、怒るけど台本にはない「ごめんなさい取り乱しました」という台詞で自然に感じられた。
 あと、このBチーム1号の怒り方と推しの怒り方を比べたとき推しは本当に「おいおいどうした」というようなキレ方をするのだけど推しの怒り方、ネウロに出てくる犯人みたいだな……と思った。犯行がばれたときの犯人のそれじゃないですか……(魔人探偵脳噛ネウロ、1~23巻好評発売中!! 暗殺教室だけが松井先生じゃない!と声高に言いたい)。
 推しの話は次回、と言いながら推しの話をするけど推しはこのシーンで7号に八つ当たりみたいに怒る。その怒り方を見て「お? 推しその怒り方、昨年の7号さんにできた?」と思ってしまった。私は中の方々の仲の良さや関係性が劇中で透けて見えるのをおもしろいと思うこともあるけど、どちらかというと「役ではそうだけど、現実の関係ではできない」ようなことをやられたほうがおもしろいと思うなと気がついた。他舞台で「役ではAさんが後輩だけど、実際のキャリアはAさんが群を抜いて長いのでふとした瞬間に周囲の人の気遣いが見えてしまう」ことに萎えたことがある。
 仲がいい人に無茶ぶりができるのは普通だけど、目上の人やそこまでの仲ではない人にも「役」としてつっかかったりキレたりできるのが舞台では? と思うので(もちろんこれは現実世界の人間関係を考えたら難しいとは思うけど)推しが大阪公演で大阪Aの7号さんにキレ芸するのであれば楽しみにしている。

 ここまで書いて思ったけど推しのキレ芸は推しが積極的にやっているのか周囲がやれっていってやっているのかによってもまた話は変わってくるな。演出上おもしろいからやれと言われてやっている可能性もある?

 

 あと、2020東京Bチーム1号は上着を脱ぐのが2019東京1号さんや推し(2019大阪1号、2020東京Aチーム1号)に比べると少し早いのでだけどこれは「有罪ではない」と確信を得たタイミングが違うということなのか? Bチーム1号さんはナイフのくだりの終盤に脱いでたけど、推しや2019東京1号は11号が7号に詰め寄るところの終盤で脱いでいた(2020年の推しが上着脱ぐところは見逃しているので確実ではないけど)。この差はなんなんだろう。

 そういえば今年も台本をもらったけど昨年の台本で誤字っていた「あんたが一番こじれさせてんでしょ」が「あんたが一号こじれさせてんでしょ」に今年も誤字っていた。


・3号
 2019年3号=今年のBチーム3号しか観たことなかったけどAチームの3号さんはまた違った。Bチーム3号は重心が下の方にあるというかどっしりしている感じがしたけどAチーム3号は「ぱっ」と走り出す軽やかさがあった。あと、8号が「遊びでやってんじゃないんだよ」と怒るシーンで台本にはない「はは、格好良いな」と怒鳴られたことをはぐらかすように笑っていう台詞があってそれがなんか「リアル」で眉間にしわが寄った(このブログではこれは褒め言葉として使っています)。「本気で怒っている人」や「真剣な人」を「格好つけちゃって(笑)」「そんなことで熱くなっちゃって(笑)」と笑ってそれを「恥ずかしいこと」みたいに揶揄する人はどこにでもいる。台本にないけどつけたされたこのシーンが「こういう人おるよな」という感じがして好きです。

・9号
 9号!!!! 去年より元気だった!!!!!!
 去年はそこまででもなかった気がするけどAもBもむちゃくちゃ杖振り回して怒ってて「元気だ~~」とにっこりしてしまった。私は役につられて9号役の方をおじいちゃんと思って観てしまっていたけど、昨年カテコで客席後方から杖を使わずにみんなと一緒ににこにこ笑って走って出てきたので「そうだよな中の人はおじいちゃんではないんだよな」とハッとした。
 とりあえず、東京ABともに昨年より激しく怒っていたり、眼鏡のシーンで激しく喜んでいたのが印象的だった。
 あと4号に「眼鏡以外でそこに跡がつくことはありますか」って聞いて、4号は「ありません」と答えるけどロイヤル傍聴席のフェイスガードが眼鏡みたいなタイプだったので「あるで」と思った。


・8号
 8号も今年、むちゃくちゃ怒ってて熱かった!!
 個人的一番好きなシーン2020年度東京公演は8号です。8号が自分が買ってきたナイフと犯行に使われたナイフを机に刺して「見てくれよ」っていうシーン。このシーンで私が「熱い」と感じるのは昨年も観ているからなのだけど、と前置きをした上で理由を書く。
 台本ではここは「見て下さい」なんです。Bチーム8号さんもそう言っている。でも東京Aチーム8号さんは今年「見てくれよ」だった。今年、たしか遊んでいる3号と12号をとめるシーンも台本だと「遊びじゃないんですよ」だけど「遊びでやってるんじゃないんだよ」とむちゃくちゃ怒っていた。
 Bチーム8号さんはAチーム8号さんよりも余裕があるように見えた。5号に「そんなに野球の試合が気になりますか」っていうシーンや、3号に「本気で殺すつもりで言ったわけじゃないでしょ」っていうシーンが少し笑っていて、それに少しのいやらしさ(書くまでもないけど「いやらしさ」というのは淫らな、とかではなくて「いい性格していらっしゃる」というような意味)を感じた。大阪Aチームで推しと共演するので本当に楽しみ。
 Aチーム8号はそんな余裕が見えないくらいむちゃくちゃに怒っていて私はそこが好きだなと思った。
 全体を通して敬語で、丁寧に話す東京8号が、興奮して思わずと言った風に出てしまった「見てくれよ!」という台詞が最高に熱かったし、私はこのシーンのことを「見てくれよ!」と思った。どれだけ言葉を尽くしても全然このシーンの熱さが伝わっている気がしないので配信、もしくは劇場で見てくれよ。

 


 以上、「12人の怒れる男が今年も熱くて最高だった」という感想でした。この舞台のいいところは夏にやるところで、見終わった後に外で電車の音と蝉の鳴き声を聞くと舞台のことを思い出すのでエモエモのエモ。去年の東京公演は途中まで空調が切られていて顔面の「溶け」を感じて焦りまくっていたけど今年はさすがにはじめからクーラーがついていた。


・最後に
 この時期に、「劇場で舞台を観ること」に関しては賛否両論あるというか否の声の方がでかいのではと思う。それに関して論ずる気はあんまりないけど、でも舞台って劇場で観るものなんだよなと改めて思った。
 舞台の終盤、有罪が3号だけになって、その3号がとうとう無罪というシーン。3号の話す声がその後嗚咽に変わってそれだけが響く一連のシーン、他の人は誰も何も言わない。雨の音が聞こえた。始まる前には蝉の声が響いていたのに雨が降り始めてそれが止み、しとしとという雨の音だけが静かな舞台に、劇場内に響いている。キャストも客も、誰も何も言わない。雨の音と、3号のすすり泣く声だけが聞こえる。
 そのシーンの、それを、言葉にできない。その場にいないとわからない「良さ」というのがある。そしてそれは配信では決してわからない(と、私は思う)。劇場という閉じられた特別な空間でないと100%では味わえない。そこまで「熱いな~~いいな~~」と観ていたけど、このラストの静かなシーンは「熱さ」ではない良さがあった。

 言葉にできないので行ける人は大阪公演で観てください。


 
 カテコで主催さんが「舞台は悪くない」って言ってて、私はそんなこと全然思ってなかったけど幕が上がるまでにいろいろあったんだろうなあと思った。
 その後「クラウドファンディングするので……」という話をしていて生まれて初めて「えっ? 私信????」と思った(昨年ランブロにキレてランブロするならクラファンしてくれとブログに書いたのが我)。冷静に考えて私信ではないけどランブロを廃止という「義」に対しては「義」で返したいので(あなたは義という言葉を正しく理解できていますか?@11号)、お値段にもよるけど私は金を出す所存。
 推しのことを書かなくてもむちゃくちゃ熱く語れる、12人の怒れる男、絶賛配信中! 劇場の方がおもしろいけど私はBチーム配信だけで観てもおもしろかったのでぜひ観てほしい。
 今週金曜から大阪公演で、もちろん行くけど本当に楽しみ。 


 とりあえず今年の夏も「12人の怒れる男」が熱かった!
 みてね!